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2013-01

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

お正月休みでゆっくりされる方も,残念ながらそうはいかない方も,昨年を振り返り,今年1年どうなるか,どう過ごすか,お考えの時期かと思います。

私にとって刑事弁護は弁護士業におけるライフワークともいうべき仕事ですが,昨年印象に残るのは,何といっても初の無罪判決を得たことでした。重大とはほど遠く,むしろ検察官がなぜ起訴したのかよくわからないほどの事案で(もちろん被告人の人生にとっては重大なことです),主任弁護人である当事務所の髙見秀一弁護士の補佐をした程度ですが,とにかくうれしかったです。

また,裁判員裁判を担当する機会が多く,現在も数件弁護人をしています。昨年中は公判前整理手続の案件が多かったので,今年は公判審理の日程が次から次に入るような気がして,震えて/奮えております。有罪であることは認める事件の場合,量刑(刑の重さをどうするか)がメインテーマになりますが,裁判員経験者の意見交換会などでお話をお聞きすると,裁判員の方々には,被告人の再犯のおそれ(更生の可能性)を重視される方が多いようです。量刑上どこまで考慮するかは議論があると思いますが,被告人の将来を裁判員にいかにわかりやすく伝えるかも弁護人の重要な任務であることは間違いなさそうです。

将来を考えるということは難しいもので,最近担当することが増えてきた成年後見(判断能力に応じて後見・保佐・補助の3類型があります)の仕事で感じることがあります。後見人になる場合と申立代理人になる場合がありますが,とくに高齢者の後見人となった場合は,後見業務の終了は多くはご本人が亡くなった時です。相続・遺言の案件を担当したときもそうですが,人生をどう全うするのかいろいろと考えさせられることが多いです。

年の初めにふさわしくない話題になってきたかもしれませんが,元日にしゃれこうべを持って回った一休さんに倣い,この常ならぬ世,将来に備えて弁護士もお役に立つのではないかと,最後はしっかりアピールして締めくくる次第です。

参考文献(?) 『一休ばなし』「巻之二 四 一休和尚元三のあしたしやれ頭を引てとをり給ふ事」

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